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令和3年版 犯罪白書 第2編/第1章/1

1 新規立法の動向
(1)少年法等の改正,犯罪者処遇の充実に関する検討

法務大臣は,平成29年2月,法制審議会に対し,少年法(昭和23年法律第168号)における「少年」の年齢を18歳未満とすることや非行少年を含む犯罪者に対する処遇を一層充実させるための刑事の実体法及び手続法の整備の在り方等について諮問を行い(諮問第103号),同審議会においては,それらの点について調査審議が重ねられ,令和2年10月,法務大臣に対する答申がなされた。

この答申においては,<1>罪を犯した18歳及び19歳の者について,家庭裁判所への送致,同裁判所における手続・処分,刑事事件の特例等に関する法整備を行うこと,<2>犯罪者に対する処遇を一層充実させるため,自由刑の単一化,若年受刑者に対する処遇調査の充実,刑の全部の執行猶予制度の拡充等の法整備その他の措置を講ずることなどが掲げられた。

前記答申のうちの前記<1>を受け,令和3年2月,少年法等の一部を改正する法律案が国会に提出され,同年5月21日,少年法等の一部を改正する法律(令和3年法律第47号)が成立した(4年4月1日施行)。これにより,特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)について,家庭裁判所が原則として検察官に送致しなければならない事件の範囲を拡大すること(検察官への送致についての特例),保護処分の規定を整備し,ぐ犯をその対象から除外すること(保護処分についての特例),検察官送致決定後の刑事事件の特例に関する規定(不定期刑等)は原則として適用しないこと(刑事事件の特例),特定少年のとき犯した罪により公判請求された場合には,当該事件の本人であることを推知できる記事等の掲載の禁止に関する規定を適用しないこと(記事等の掲載の禁止の特例)などを内容とする少年法の一部改正が行われたほか,同改正に伴う更生保護法(平成19年法律第88号)及び少年院法(平成26年法律第58号)の一部改正が行われた(詳細については,第3編第2章第1節4項参照)。

(2)公判期日への出頭及び刑の執行を確保するための刑事法の整備に関する検討

法務大臣は,令和2年2月,法制審議会に対し,保釈中の被告人や刑が確定した者の逃亡を防止し,公判期日への出頭や刑の執行を確保するための刑事法の整備について諮問を行い(諮問第110号),同審議会は,刑事法(逃亡防止関係)部会において,それらの点について調査審議を行っている。

(3)刑事手続において犯罪被害者の氏名等の情報を保護するための刑事法の整備に関する検討

法務大臣は,令和3年5月,法制審議会に対し,逮捕状・勾留状の呈示や起訴状謄本の送達を始めとして,刑事手続を通じて犯罪被害者の氏名等の情報を保護するための法整備の在り方等について諮問を行い(諮問第115号),同審議会において,それらの点について調査審議が重ねられ,同年9月,法務大臣に対する答申がなされた。

(4)性犯罪に対処するための法整備に関する検討

法務大臣は,令和3年9月,法制審議会に対し,性犯罪に対処するための法整備について諮問を行い(諮問第117号),同審議会では,刑事法(性犯罪関係)部会において,調査審議を行うこととされた。

(5)侮辱罪の法定刑に関する検討

法務大臣は,令和3年9月,法制審議会に対し,侮辱罪の法定刑について諮問を行い(諮問第118号),同審議会は,刑事法(侮辱罪の法定刑関係)部会において,その点について調査審議を行っている。