平成9年(1997年),経済協力開発機構(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development)において,国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約が採択された。我が国は,この条約を締結済みであり,その国内担保法として,平成10年(1998年),不正競争防止法(平成5年法律第47号)の改正により外国公務員等に対する不正の利益の供与等の罪が新設され(11年2月施行),同罪については,その後,国民の国外犯処罰規定の追加,自然人に対する罰則強化,法人に対する公訴時効期間の延長等の改正がなされている。
国連は,平成15年(2003年),自国及び外国の公務員等に係る贈収賄や公務員による財産の横領等の腐敗行為の犯罪化のほか,腐敗行為により得られた犯罪収益の他の締約国への返還の枠組み等について定めた腐敗の防止に関する国際連合条約を採択した。我が国は,平成18年(2006年)に同条約の締結について国会の承認を受け,平成29年(2017年)に同条約を締結した。
令和3年(2021年)には,国連腐敗特別総会が開催され,腐敗対策に関する政治宣言が採択された。