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令和3年版 犯罪白書 第2編/第4章/第4節/2

2 給養・医療・衛生等

被収容者には,食事及び飲料(湯茶等)が支給される。令和3年度の成人の受刑者一人当たりの一日の食費(予算額)は536.07円(主食費104.40円,副食費431.67円)である。高齢者,妊産婦,体力の消耗が激しい作業に従事している者や,宗教上の理由等から通常の食事を摂取できない者等に対しては,食事の内容や支給量について配慮している。また,被収容者には,日常生活に必要な衣類,寝具,日用品等も貸与又は支給されるが,日用品等について自弁のものを使用することも認めている。なお,同年度の刑事施設の被収容者一人一日当たりの収容に直接に必要な費用(予算額)は,2,208円である(法務省矯正局の資料による。)。

刑事施設には,医師その他の医療専門職員が配置されて医療及び衛生関係業務に従事している。さらに,専門的に医療を行う刑事施設として,医療専門施設4庁(東日本成人矯正医療センター並びに岡崎,大阪及び北九州の各医療刑務所)を設置しているほか,医療重点施設9庁(札幌,宮城,府中,名古屋,大阪,広島,高松及び福岡の各刑務所並びに東京拘置所)を指定し,これら13庁には,医療機器や医療専門職員を集中的に配置している。

矯正医官の人員は,令和3年4月1日現在で299人(前年比7人増)であり,定員の約9割にとどまっている(法務省矯正局の資料による。)。