6-1-1-1図は,人が被害者となった刑法犯の認知件数及び男女別の被害発生率(人口10万人当たりの認知件数をいう。以下この節において同じ。)の推移(平成元年以降)を見たものである。認知件数及び被害発生率のいずれも,平成に入り増加・上昇傾向にあったが,14年(認知件数248万6,055件,被害発生率1,950.1)をピークとして,それ以降は減少・低下し続け,30年は共に14年の約4分の1であった。また,男性の被害発生率は,いずれの年も女性の2倍以上である(CD-ROM参照)。
6-1-1-2表は,平成30年における,人が被害者となった刑法犯の認知件数を主な罪名別に見るとともに,これを主たる被害者の年齢層別に見たものである。年齢層別に見ると,20~29歳の被害者に係る件数(総数(この表に掲げた主な罪名の犯罪によって人が被害者となった認知件数の合計をいう。以下この項において同じ。)の20.5%)が最も多い。総数に占める65歳以上の割合は,15.2%であるものの,罪名別では詐欺において高い(49.6%)。また,女性被害者の割合が最も高いのは,65歳以上であり,特に,性犯罪被害以外では,詐欺の65歳以上の被害者に占める女性被害者の比率(75.6%)が最も高い。
6-1-1-3図は,人が被害者となった刑法犯の被害発生率の推移(平成元年以降)を主な罪名別・年齢層別に見たものである。殺人については,全ての年齢層において低下傾向又は横ばいで推移している。強盗及び窃盗については,平成中期にピークを迎えた後,低下傾向にある。強制性交等において,他の年齢層と比較して被害発生率の高い13~19歳及び20~29歳の年齢層についても,同様であったが,ここ2年は上昇している。傷害・暴行については,13~19歳以外の年齢層については,平成中期以降上昇傾向又は横ばいで推移しているが,被害発生率の最も高かった13~19歳の年齢層については,平成後期は低下傾向にあり,30年は20~29歳及び30~39歳の年齢層よりも低い被害発生率となっている。詐欺については,平成中期にピークを迎えた後,低下傾向にあったが,近年上昇傾向又は横ばいで推移している。特に,65歳以上については,平成中期までは,他の年齢層と比較して被害発生率が低い年齢層の一つであったが,平成後期に上昇し,23年から最も高い年齢層になるとともに,29年に平成期で2番目に高い被害発生率を記録した。