前の項目 次の項目        目次 図表目次 年版選択

令和元年版 犯罪白書 第3編/第1章/第5節/5

5 恩赦

恩赦は,憲法及び恩赦法の定めに基づき,内閣の決定によって,刑罰権を消滅させ,又は裁判の内容・効力を変更若しくは消滅させる制度であり,大赦,特赦,減刑,刑の執行の免除及び復権の5種類がある。このうち,刑の執行の免除は,無期刑の仮釈放者に対して保護観察を終了させるなどの措置として執られている。復権は,既に更生したと認められる者が,前科のあることにより資格が制限されるなど社会的活動の障害となっている場合に,法令の定めるところにより喪失し又は停止されている資格を回復させるものである。恩赦を行う方法については,恩赦法において,政令で一定の要件を定めて一律に行われる政令恩赦と,特定の者について個別に恩赦を相当とするか否かを審査する個別恩赦の2種類が定められている。また,個別恩赦には,常時行われる常時恩赦と,内閣の定める基準により一定の期間を限って行われる特別基準恩赦とがある。個別恩赦の申出に関する審査は,中央更生保護審査会が行っている。

平成元年・15年・30年に復権となった者は,元年が53人,15年が64人,30年が16人であり,刑の執行の免除となった者は,元年が20人,15年が16人,30年が3人であった(保護統計年報による。)。

平成期に行われた政令恩赦及び特別基準恩赦の状況は,3-1-5-15表のとおりである(保護統計年報による。)。

3-1-5-15表 平成の政令恩赦・特別基準恩赦
3-1-5-15表 平成の政令恩赦・特別基準恩赦
Excel形式のファイルはこちら