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平成30年版 犯罪白書 第7編/第4章/第4節/2

2 交通事故

交通事故(道路交通法2条1項1号に規定する道路において,車両等及び列車の交通によって起こされた事故に係るものであり,人の死亡又は負傷を伴うものをいう。以下この節において同じ。)の発生件数(自動車,自動二輪車及び原動機付自転車の運転者に係るものに限る。以下この節において同じ。)の推移(最近10年間)を第一当事者(事故当事者のうち最も過失の重い者をいい,過失が同程度の場合は,人身損傷程度が軽い者をいう。以下この節において同じ。)の年齢層別に見ると,7-4-4-2図のとおりである。交通事故の発生件数は,平成29年(44万7,088件)は20年(72万3,613件)と比べて約4割程度減少したが,29年における65歳以上の高齢者が第一当事者の交通事故の発生件数は,9万5,114件であり,20年(10万2,104件)と比べると,6.8%の減少にとどまる。さらに,75歳以上の者が第一当事者の交通事故発生件数は,3万2,949件(前年比59件増)であり,20年と比べると,その他の年齢層ではいずれも減少しているにもかかわらず,3,085件(10.3%)増加している(CD-ROM参照)。

交通事故の発生件数における高齢者率(第一当事者が高齢者であるものが占める比率をいう。以下この項において同じ。)は,過去10年間一貫して上昇しており,平成29年は21.3%(20年比7.2pt上昇)であった(CD-ROM参照)。

7-4-4-2図 交通事故 発生件数・高齢者率の推移(第一当事者の年齢層別)
7-4-4-2図 交通事故 発生件数・高齢者率の推移(第一当事者の年齢層別)
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平成29年における65歳以上の高齢者を第一当事者とする交通事故のうち,道路交通法違反を伴うものは,9万4,980件であり,違反態様は,安全不確認3万3,463件(35.2%),脇見運転9,975件(10.5%),交差点安全進行義務違反7,112件(7.5%)の順であった(警察庁交通局の資料による。)。

交通死亡事故(道路交通法2条1項1号に規定する道路において,車両等及び列車の交通によって起こされた事故に係るものであり,人の死亡(交通事故によって,発生から24時間以内に死亡した場合)を伴うものをいう。以下この節において同じ。)の発生件数の推移(最近10年間)を第一当事者の年齢層別で見ると,7-4-4-3図のとおりである。交通死亡事故の発生件数は,平成29年(3,247件)は20年(4,686件)と比べて,約3割減少したところ,高齢者が第一当事者の交通死亡事故の発生件数は,20年から増減を繰り返しつつも,29年は893件と20年(966件)と比べると,7.6%の減少にとどまった。さらに,75歳以上の者が第一当事者の交通死亡事故発生件数は,20年が410件,29年が418件とほぼ同数であった(CD-ROM参照)。

交通死亡事故の発生件数における高齢者率は,平成20年(20.6%)以降28年まで上昇傾向にあったが,29年は前年から0.8pt低下して27.5%であった(CD-ROM参照)。

7-4-4-3図 交通死亡事故 発生件数・高齢者率の推移(第一当事者の年齢層別)
7-4-4-3図 交通死亡事故 発生件数・高齢者率の推移(第一当事者の年齢層別)
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平成29年における交通死亡事故の発生件数の態様別構成比を第一当事者の年齢層別で見ると,7-4-4-4図のとおりである。75歳以上の者は75歳未満の者と比べて車両単独事故の割合が高いが,車両単独事故の中でも75歳以上の者と75歳未満の者の割合の差が顕著なのは路外逸脱であり,工作物衝突についても,その差がみられる。一方,75歳以上の者は,75歳未満の者と比べ,人対車両事故の割合が低いが,その中で横断中の割合が顕著に低い。車両相互事故では,75歳以上の者が第一当事者であった場合,出会い頭衝突,正面衝突の割合が,いずれも,75歳未満の者が第一当事者であった場合と比べて高い。

7-4-4-4図 交通死亡事故 発生件数の態様別構成比(第一当事者の年齢層別)
7-4-4-4図 交通死亡事故 発生件数の態様別構成比(第一当事者の年齢層別)
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平成29年の交通死亡事故(人的要因の調査が可能であったものに限る。)において,75歳未満の者が第一当事者であるものでは,人的要因のうち安全不確認の占める割合が28.2%(763件)と最も高いのに対し,75歳以上の者が第一当事者であるものでは,不適切な操作の占める割合が34.7%(130件)と最も高い。さらに,不適切な操作のうち,ブレーキとアクセルの踏み間違いを原因とするものの割合が6.9%(26件)と,75歳未満の者の0.9%(24件)と比べて顕著に高い(警察庁交通局の資料による。)。