7-3-3-4図は,通常第一審における高齢者の科刑状況(懲役・禁錮に限る。全部執行猶予の言渡しを受けた者及び年齢が不詳の者を除く。以下この項において同じ。)の推移(最近10年間)を全体と高齢者とに分けて見たものである。全体,高齢者共に,過去10年間一貫して,2年未満の自由刑が半数以上を占めているが,高齢者はその割合が全体よりやや高く,29年は59.3%(前年比0.3pt低下)であった。
平成29年における科刑状況を罪名別に見ると,殺人については,全体では5年を超える自由刑を科された者の割合が75.9%であるのに対し,高齢者では67.9%と低い。また,2年未満の自由刑を科された者の割合について,窃盗では,全体が61.6%であるのに対し,高齢者が64.1%とやや高く,傷害では,全体が64.0%であるのに対し,高齢者が72.0%と高い(最高裁判所事務総局の資料による。)。
無期懲役の言渡しを受けた高齢者の人員は,最近10年間5人以内で推移しており,平成29年は1人であった(7-3-3-4図CD-ROM参照。なお,無期懲役の言渡しを受けた全体の人員については,2-3-2-2表参照)。また,死刑の言渡しを受けた高齢者の人員は,最近10年間では27年及び29年にそれぞれ1人ずつであった(最高裁判所事務総局の資料による。なお,死刑の言渡しを受けた全体の人員については,2-3-2-2表参照)。