刑法犯の微罪処分(刑事訴訟法246条ただし書に基づき,検察官があらかじめ指定した犯情の特に軽微な成人による事件について,司法警察員が,検察官に送致しない手続を執ることをいう。)人員及び高齢者率(刑法犯微罪処分人員に占める高齢者の比率をいう。以下この項において同じ。)の推移(最近20年間)を見ると,7-3-1-8図のとおりである。全年齢層における微罪処分人員は,平成13年以降18年(12万6,814人)まで増加した後は減少して,29年は6万3,756人(10年比19.4%減)であった。高齢者の微罪処分人員は,65〜69歳の者で,10年以降18年(1万1,285人)まで増加し,その後は減少して29年は6,440人(10年比約1.3倍)であり,70歳以上の者で,10年以降19年(2万1,774人)まで増加した後に緩やかに減少し,29年は1万7,525人(10年比約3.0倍)であった。29年の高齢者全体の微罪処分人員は,2万3,965人であった(CD-ROM参照)。
高齢者率は,過去20年間にわたって一貫して上昇し,平成29年は37.6%であった。
7-3-1-9図は,平成29年における高齢者の微罪処分人員の罪名別構成比を見たものである。高齢者の微罪処分人員2万3,965人のうち,窃盗が8割を超えており,うち万引きは,65.2%を占めた。また,暴行が約1割であった。
主な罪名別の微罪処分人員の年齢層別構成比の推移(最近20年間)を見ると,7-3-1-10図のとおりである。
窃盗,暴行のいずれも,高齢者の占める割合が上昇しており,特に,70歳以上の者の構成比が高く,平成29年は,窃盗では微罪処分者の3人に1人が70歳以上の者であり,暴行でも微罪処分の1割を70歳以上の者が占めた。