5-2-3-1図は,入所受刑者人員のうち,再入者の人員及び再入者率(入所受刑者人員に占める再入者の人員の比率をいう。以下同じ。)の推移(最近20年間)を総数・女性別に見たものである。再入者の人員は,平成11年から毎年増加した後,18年をピークにその後は減少傾向にあり,29年は1万1,476人(前年比5.8%減)であった。再入者率は,16年から28年まで毎年上昇し続けていたが,29年は59.4%(同0.2pt低下)であり,おおむね横ばいで推移している。
女性について見ると,再入者の人員は,平成11年以降増加傾向にあったが,26年をピークにその後は減少し,29年は928人(前年比38人減)であった。同年における再入者率は,49.0%であり,男性と比べると低い(罪名別・男女別の再入者人員の詳細については,CD-ROM資料5-1参照)。
5-2-3-2図は,平成29年における入所受刑者の入所度数別構成比を総数・男女別に見たものである。入所受刑者全体では入所度数が2度以上の者(再入者)が6割近くを占めるとともに,5度以上の者も2割を超えている。女性では,入所度数が1度の者(初入者)が5割を超えており,5度以上の者は8.9%であった(罪名別・入所度数別の入所受刑者の人員については,CD-ROM資料5-2参照)。
5-2-3-3図は,平成29年における入所受刑者の保護処分歴別構成比を初入者・再入者別に見るとともに,これを年齢層別に見たものである。入所受刑者全体で見ると,保護処分の中では,少年院送致歴のある者の割合が高く,その傾向は再入者において顕著である。年齢層別に見ると,保護処分歴のある者の割合は,初入者,再入者共に若い年齢層の者ほど高い。いずれの年齢層においても,再入者は,初入者と比べて保護処分歴のある者の割合が高く,特に29歳以下では約6割の者に保護処分歴がある。
5-2-3-4図は,平成29年における入所受刑者の就労状況別構成比を男女別に見るとともに,これを初入者・再入者別に見たものである。男女共に,初入者と比べて再入者の方が,無職者の占める比率が高い。男女総数では,同年の再入者のうち72.4%が無職者であった(CD-ROM参照)。
5-2-3-5図は,平成29年における入所受刑者の居住状況別構成比を男女別に見るとともに,これを初入者・再入者別に見たものである。男女共に,初入者と比べて再入者の方が,住居不定の者の占める比率が高いが,女性では,その差は大きくない。男女総数では,同年の再入者のうち21.9%が住居不定の者であった(CD-ROM参照)。