5-2-2-3表は,全部執行猶予を言い渡された者について,保護観察の有無別の人員及び取消事由別の取消人員等の推移(最近10年間)を見たものである。再犯により禁錮以上の実刑に処せられたことを理由に全部執行猶予を取り消された者は,平成5年以降毎年増加していたが,19年から減少に転じ,29年は3,911人(全部執行猶予取消人員の94.6%)であった(CD-ROM参照)。同年における再犯を事由とする全部執行猶予取消人員の全部執行猶予言渡人員に対する比率は,12.1%であった(両者は対象を異にし,前者の後者に対する比率は,実際の全部執行猶予の取消しの比率を意味しないが,そのおおよその傾向を見ることができる。)。
一部執行猶予を言い渡された者のうち,平成29年に同猶予を取り消された者は9人であった。このうち,再犯により禁錮以上の実刑に処せられたことを理由に同猶予を取り消された者は1人(うち保護観察中の者はいなかった。),余罪により禁錮以上の実刑に処せられたことを理由に同猶予を取り消された者は8人であった(検察統計年報による。)。