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平成30年版 犯罪白書 第4編/第3章/第2節/3

3 処遇
(1)検察

平成29年における暴力団関係者(集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織の構成員及びこれに準ずる者をいう。以下(1)において同じ。)の起訴率を罪名別に見ると,4-3-2-8図のとおりである。暴力団関係者の起訴率は,総数(過失運転致死傷等及び道交違反を除く。以下(1)において同じ。)で50.3%であり,非暴力団関係者の起訴率が総数で41.8%であったのと比べて高い。ただし,罪名別に見ると,詐欺,恐喝及び暴力行為等処罰法違反については,暴力団関係者の起訴率は非暴力団関係者の起訴率と比べて低かった。

4-3-2-8図 暴力団関係者の起訴率(罪名別)
4-3-2-8図 暴力団関係者の起訴率(罪名別)
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(2)矯正
ア 暴力団関係者の入所受刑者人員の推移

暴力団関係者(犯行時に暴力団対策法に規定する指定暴力団等に加入していた者及びこれに準ずる者をいう。以下(2)において同じ。)の入所受刑者人員及び暴力団関係者率(入所受刑者人員に占める暴力団関係者の比率をいう。)の推移(最近20年間)は,4-3-2-9図のとおりである。平成29年の入所受刑者中の暴力団関係者について,その地位別内訳を見ると,幹部385人,組員685人,地位不明の者124人であった(矯正統計年報による。)。

4-3-2-9図 暴力団関係者の入所受刑者人員・暴力団関係者率の推移
4-3-2-9図 暴力団関係者の入所受刑者人員・暴力団関係者率の推移
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イ 入所受刑者中の暴力団関係者の特徴
(ア)年齢

平成29年における入所受刑者のうち暴力団関係者の年齢層別構成比を見ると,40歳代が37.7%で最も高く,以下,30歳代(22.9%),50歳代(22.6%),60歳以上(9.2%),20歳代(7.5%)の順であった(矯正統計年報による。)。

(イ)罪名

平成29年における入所受刑者の罪名別構成比を暴力団関係者とそれ以外の者とに分けて見ると,4-3-2-10図のとおりである。暴力団関係者は,それ以外の者と比べ,覚せい剤取締法違反,傷害,恐喝の構成比が高く,窃盗は相当低い。

4-3-2-10図 入所受刑者の罪名別構成比(暴力団関係者・非関係者別)
4-3-2-10図 入所受刑者の罪名別構成比(暴力団関係者・非関係者別)
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(ウ)入所度数

平成29年における入所受刑者の入所度数別構成比を暴力団関係者とそれ以外の者とに分けて見ると,4-3-2-11図のとおりである。暴力団関係者は,それ以外の者と比べ,再入者の比率が高い。

4-3-2-11図 入所受刑者の入所度数別構成比(暴力団関係者・非関係者別)
4-3-2-11図 入所受刑者の入所度数別構成比(暴力団関係者・非関係者別)
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(3)保護観察

平成29年の仮釈放者の保護観察開始人員のうち,暴力団関係者(保護観察開始時までに暴力団対策法に規定する指定暴力団等との交渉があったと認められる者をいう。以下(3)において同じ。)の人員及び仮釈放者に占める比率は,1,057人,8.3%(前年比0.1pt上昇)であった。同年の保護観察付全部・一部執行猶予者の保護観察開始人員のうち,暴力団関係者の人員及び保護観察付全部・一部執行猶予者に占める比率は,88人,3.1%(同0.7pt上昇)であり,そのうち,保護観察付一部執行猶予者の暴力団関係者は,15人であった(保護統計年報による。)。