国連においては,経済社会理事会の下に機能委員会として設置された犯罪防止刑事司法委員会(コミッション)が,毎年会合を開いて刑事司法分野の政策決定を行っているところ,我が国は設立当初から同委員会の構成国に選出されており,毎年の会合において積極的に関与している。
また,刑事司法の各領域にわたる政策の提案,意見交換等を目的として,国連の主催により昭和30年(1955年)から5年ごとに国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が開催されている。コングレスは,犯罪防止・刑事司法分野における国連最大規模の国際会議であり,次回の第14回コングレスは,「2030アジェンダの達成に向けた犯罪防止,刑事司法及び法の支配の推進」を全体テーマとして,2020年4月20日から同月27日までの8日間,京都で開催される。あわせて,コングレスで扱う犯罪防止・刑事司法に関するテーマについて若者が議論する機会として,ユースフォーラムを開催する。我が国は,コングレスの事務局である国連薬物・犯罪事務所(UNODC)(第1編第3章参照)等と協働し,開催に向けた準備を進めている。また,国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)は,コングレスのワークショップの企画・運営を担当している。