5-2-2-1表は,平成28年に起訴された者(過失運転致死傷等及び道交違反を除く。以下この節において同じ。)のうち,有前科者(前に罰金以上の有罪の確定裁判を受けた者に限る。以下この項において同じ。)の人員及び有前科者率(起訴人員に占める有前科者の人員の比率をいう。以下この項において同じ。)を起訴罪名別に見たものである。有前科者率は,総数では48.2%であり,罪名別に見ると,毒劇法違反及び覚せい剤取締法違反で高く,70%を超えている。有前科者の人員は,窃盗が最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反であるが,有前科者のうち実刑前科(一部執行猶予を含む。)を有する者(前に懲役又は禁錮の実刑に処せられたことがある者に限る。)の比率は,覚せい剤取締法違反(66.7%)の方が窃盗(46.8%)よりも高かった。
なお,平成28年に起訴された者のうち一部執行猶予の前科があるものは,1人であった(検察統計年報による。)。
5-2-2-2表は,平成28年に起訴された者のうち,犯行時に全部執行猶予中,仮釈放中又は保釈中であったものの人員を起訴罪名別に見たものである。全部執行猶予中又は仮釈放中の犯行により起訴された者の人員は,窃盗が最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反であったが,保釈中の犯行により起訴された者の人員は,覚せい剤取締法違反が最も多く,次いで,窃盗であった。
なお,平成28年に起訴された者のうち犯行時に一部執行猶予中であったものはいなかった。