この章では,警察,検察,裁判,矯正及び更生保護の各段階における再犯・再非行の動向を概観する。
刑法犯により検挙された者のうち,再犯者(前に道路交通法違反を除く犯罪により検挙されたことがあり,再び検挙された者をいう。)の人員及び再犯者率(検挙人員に占める再犯者の人員の比率をいう。)の推移(最近20年間)は,5-2-1-1図のとおりである(再非行少年については,本章第5節参照)。再犯者の人員は,平成8年(8万1,776人)を境に増加し続けていたが,18年(14万9,164人)をピークとして,その後は漸減状態にあり,28年は18年と比べて26.1%減であった(CD-ROM参照)。他方,初犯者の人員は,12年(20万5,645人)を境に増加し続けていたが,16年(25万30人)をピークとして,その後は減少し続けており,28年は16年と比べて53.6%減であった。再犯者の人員が減少に転じた後も,それを上回るペースで初犯者の人員も減少し続けているため,再犯者率は9年以降一貫して上昇し続け,28年は48.7%(前年比0.7pt上昇)であった。