3-2-4-1図は,少年院入院者の男女別の人員及び女子比の推移(昭和24年以降)を見たものである。その人員は,最近20年間では,平成12年(6,052人)をピークに減少傾向にあり,28年は2,563人(前年比6.6%減)であった。
3-2-4-2図は,少年院入院者の人員及び人口比の推移(最近20年間)を年齢層別に見たものである。
その人員は,年長少年では,平成13年をピークとして,その後,おおむね減少傾向にあったが,28年は前年(1,205人)よりもわずかに増加し,1,219人(前年比1.2%増)であった。中間少年では,年長少年と同様に13年をピークとして,その後,おおむね減少傾向にあり,28年は967人(同11.1%減)であった。年少少年も,24年から毎年減少しており,28年は377人(同16.2%減)であった。同年の年齢層別構成比は,年長少年(47.6%)が最も高く,次いで,中間少年(37.7%),年少少年(14.7%)の順であった(CD-ROM参照)。
平成28年における年長少年,中間少年及び年少少年の人口比は,いずれも前年に比べ低下している。
なお,平成28年における14歳未満の少年院入院者は,7人(いずれも男子)であった(矯正統計年報による。)。
3-2-4-3図は,平成28年における少年院入院者の非行名別構成比を男女別に見るとともに,これを年齢層別に見たものである。男子の構成比を見ると,いずれの年齢層でも窃盗,傷害・暴行の順に高いが,年齢層が上がるにつれて,傷害・暴行の構成比が低くなり,詐欺の構成比が高くなっている。女子の構成比を見ると,総数では,覚せい剤取締法違反,窃盗,ぐ犯の順に高い。女子は,男子と比べ,覚せい剤取締法違反及びぐ犯の構成比が高く,年齢層が上がるにつれて,傷害・暴行の構成比が低くなり,覚せい剤取締法違反の構成比が顕著に高くなっている(女子の少年院入院者の特徴については,第4編第7章第2節2項(2)参照)。
3-2-4-4図及び3-2-4-5図は,平成28年における少年院入院者の教育程度別構成比及び就学・就労状況別構成比を,いずれも男女別に見たものである。教育程度については,男女共に高校中退及び中学卒業の構成比が高い。就学・就労状況については,男子は有職者が4割を超えているが,女子は,男子と比べ,無職者及び学生・生徒の構成比がいずれも高い。
3-2-4-6図は,平成28年における少年院入院者の不良集団関係別構成比を男女別に見たものである。男女共に,不良集団関係のない者の構成比が5割を超えている。
3-2-4-7図は,平成28年における少年院入院者の保護者状況別構成比を男女別に見たものである。総数では,保護者が実母のみである者の構成比は,28年は40.3%であり,19年と比べ4.0pt高いのに対し,保護者が実父母である者の構成比は,28年は32.0%であり,19年と比べ5.8pt低い(矯正統計年報による。)。
3-2-4-8図は,平成28年における少年院入院者の保護者等からの被虐待経験別構成比を男女別に見たものである。女子は,男子と比べ,被虐待経験があるとする者の構成比が高い。ただし,ここでいう被虐待経験の有無・内容は,入院段階における少年院入院者自身の申告等により把握することのできたものに限られている点に留意する必要がある。