国際受刑者移送とは,外国において拘禁刑により刑務所等で拘禁されている者を,国際的な協力の下に,その本国に移送して,その国で刑の執行の共助を行うものであり,受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰を促進する意義を有する。
昭和58年(1983年),多国間条約である「刑を言い渡された者の移送に関する条約」が欧州評議会において作成され,我が国は,平成15年(2003年)に,この条約に加入した。我が国は,同条約未加入国との間では,二国間条約を締結しており,これまで,タイ王国(平成22年(2010年)発効),ブラジル連邦共和国(平成28年(2016年)2月発効)及びイラン・イスラム共和国(平成28年(2016年)8月発効)との間で,それぞれ受刑者移送に関する条約を締結している。
我が国では,これらの受刑者移送条約に基づき,その国内担保法である国際受刑者移送法(平成14年法律第66号)が定める要件及び手続に従って,これら条約の締約国との間で受刑者の移送をすることができる。
平成28年(2016年)における我が国からの受刑者送出移送人員(執行国別,罪名別)は,2-6-4-1表のとおりである。なお,平成16年(2004年)以降平成28年(2016年)までの我が国への受入移送は合計9人である(平成28年(2016年)はいなかった。法務省矯正局の資料による。)。