平成13年(2001年),欧州評議会において,「サイバー犯罪に関する条約」が採択された。この条約は,世界初の包括的なサイバー犯罪対策に関する条約であり,<1>コンピュータ・システムに対する違法なアクセス,コンピュータ・ウイルスの製造等の行為の犯罪化,<2>コンピュータ・データの捜索・押収手続の整備等,<3>捜査共助・犯罪人引渡し等について定めたものである。平成24年(2012年)7月,我が国は,同条約を締結した。この条約の国内担保法として,平成23年(2011年)6月,情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成23年法律第74号)が成立し,不正指令電磁的記録作成等の罪が新設されるなどした(第4編第5章参照)。