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平成28年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/4

4 非行及び犯罪の防止に関する援助

旧少年院法では,家庭裁判所,刑事施設の長,少年院の長,地方更生保護委員会及び保護観察所の長以外の者からの依頼に基づく鑑別は,他の鑑別業務に支障のない範囲で行うこととされていたところ,少年鑑別所法の施行に伴い,新たに,地域社会における非行及び犯罪の防止に関する援助として,少年鑑別所の本来業務として位置付けられた。また,鑑別のほかに従来から行っている成人の保護観察対象者等に対する心理検査や学校等での非行防止のための講演など,関係機関からの依頼に応じた各種専門的支援についても,非行及び犯罪の防止に関する援助に含まれることとなり,地域社会や関係機関のニーズに広く対応できるようになった。

こうした業務を行うに当たって,各少年鑑別所は,法務少年支援センターとして,少年鑑別所が有する少年非行等に関する専門的知識やノウハウを活用して,警察,検察,裁判及び更生保護等の刑事司法に関わる機関のほか,児童福祉機関,学校・教育機関,医療機関,NPO等の民間団体等,青少年の健全育成に携わる関係機関及び団体と連携を図りながら,地域における非行及び犯罪の防止に関する活動や,健全育成に関する活動の支援等に取り組んでいる。

平成27年6月から同年12月までの援助の実績は,相談関係が延べ1,690人,機関・団体関係のうち個別援助が延べ2,499人,事例検討会等が延べ196件,講演・研修等が延べ741件,その他の援助が延べ303件であった(矯正統計年報による。)。