受刑者の帰住予定地を管轄する保護観察所では,刑事施設から受刑者の身上調査書の送付を受けるなどの後,保護観察官又は保護司が引受人等と面接するなどして,帰住予定地の状況を確かめ,住居,就労先等の生活環境を整えて改善更生に適した環境作りを働き掛ける生活環境の調整を実施している。この結果は,仮釈放審理における資料となるほか,受刑者の社会復帰の基礎となる。
平成27年に生活環境の調整を開始した受刑者の人員は,4万4,829人(前年比8.2%減)であった(保護統計年報による。)。
保護観察所では,平成21年度から,生活環境の調整についての特別の手続として特別調整を実施しており(本編第4章第2節5項及び第3編第2章第4節2項(5)参照),27年度においては,特別調整が終結した人員(少年を含む。)は730人であり,その内訳(重複計上による。)は,高齢者389人,知的障害者214人,精神障害者196人,身体障害者107人であった。また,特別調整の結果,福祉施設等につながった人員は479人(取下げ及び死亡を除く終結人員中の71.2%)であり,その主な内訳は,民間住宅(83人),障害者入所施設(77人),医療機関(53人),保護施設(53人),介護保険施設(23人)などであった(法務省保護局の資料による。)。