平成25年6月に成立した刑法等の一部を改正する法律(平成25年法律第49号)及び薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(平成25年法律第50号)により,刑の一部執行猶予制度が新設され,28年6月から施行されている。刑の一部執行猶予制度の概要は,2-1-2図のとおりである。
刑の一部執行猶予制度の導入により,裁判所は,前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者や禁錮以上の刑の執行終了日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者等に対し,3年以下の懲役又は禁錮を言い渡す場合に,犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して,再び犯罪をすることを防ぐために必要であり,かつ,相当であると認められるときは,1年以上5年以下の期間,その刑の一部の執行を猶予することができるようになった(その猶予の期間中,保護観察に付することができる。)。また,薬物使用等の罪を犯した者に対しては,禁錮以上の刑の執行終了日から5年以内の場合であっても,裁判所は,犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して,刑事施設における処遇に引き続き社会内において規制薬物等に対する依存の改善に資する処遇を実施することが,再び犯罪をすることを防ぐために必要であり,かつ,相当であると認められるときは,薬物使用等の罪等について言い渡す3年以下の懲役又は禁錮の刑の一部の執行を猶予することができるようになった(この場合,その猶予の期間中,保護観察に付さなければならない。)。