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平成27年版 犯罪白書 第6編/第3章/第1節/3

3 関係機関との連携等
(1)保護観察所等との情報の引継

刑事施設と保護観察所では,施設内及び社会内における性犯罪者処遇の一貫性を保ち,処遇の実効性を高めることを目的として,刑事施設において実施した性犯罪再犯防止指導の実施結果及び保護観察所において実施した性犯罪者処遇プログラム(本章第2節参照)の実施結果を相互に引き継いでいる。

刑事施設から地方更生保護委員会及び保護観察所へは,R3の指定がなされた者について,<1>身上調査書を送付するとき(第2編第5章第1節2項参照),<2>本科プログラムを終了したとき,<3>仮釈放を許すべき旨の申出をするとき及び<4>地方更生保護委員会又は保護観察所の長から依頼があったときに,指導の受講計画,処遇プログラムの実施状況等に係る情報を通知している。他方,保護観察所からは,保護観察所において処遇プログラムを受講した仮釈放者のうち,仮釈放に係る刑の受刑中にR3の指定を受けていた者について,保護観察の終了時等に処遇プログラムの実施結果等が刑事施設に送付される。

また,少年院においても,性非行防止指導の実施結果について,保護観察所及び地方更生保護委員会に情報提供するほか,保護観察官や保護司に,指導の経過及び結果について説明を行うなどしている。

(2)子供を対象とする暴力的性犯罪者等に係る受刑者の釈放等に関する警察への情報提供

平成17年6月から,子供を対象とする暴力的性犯罪の再犯を防止するため,被害者が13 歳未満の強制わいせつ,強姦,わいせつ目的略取誘拐,強盗強姦等の罪で服役した受刑者の出所情報(釈放予定日,入所日,帰住予定地等)を法務省から警察庁に提供する制度が運用されている(第2編第4章第2節6項参照)。同制度が23年から拡充され,法務省から警察庁に対し,当該受刑者の性犯罪再犯防止指導の指導密度の別や再犯防止のために参考となる事項が情報提供される一方で,法務省は警察庁から当該受刑者の出所後の再犯状況等について情報提供を受けることとなった。なお,同年以降,刑事施設等の長は,前記情報提供をした場合,当該受刑者に,情報提供の制度の概要を告知するとともに,当該受刑者についての情報提供を行った旨の告知をすることとなった。