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平成26年版 犯罪白書 第6編/第5章/第4節

第4節 関係機関間の連携強化

特別調査で明らかになったように,窃盗事犯者に対しては,満期釈放者であるか否か等を問わず,就労支援や住居確保のための対策が重要であり,それらの対策を円滑に実施するためには,関係機関間での一層の連携が必要となる。

具体的には,刑事施設・保護観察所と,公共職業安定所,更生保護施設等あるいは地域生活定着支援センター等といった従来から連携を維持している機関との間で,特別調整の場面も含めた連携の一層の強化が求められる。また,その実効性を確保するためにも,満期釈放者の場合には,釈放前の指導の一層の充実も求められるところである。

次に,窃盗事犯者について,不起訴処分が見込まれる場合においても,事案に応じて,更生緊急保護の円滑な活用も含めた検察庁と保護観察所,地方公共団体等との連携の一層の強化が求められる。

そのほか,医療的措置を講ずる必要性がある者に対しては,地方公共団体や地域包括支援センター,医療機関等も含めた関係諸機関の間で適切な連携を図ることで適切な医療的措置が講じられるようにする必要がある。

また,窃盗事犯者に対して,それぞれの動機や背景事情等を含め,それぞれの特性等にふさわしい一貫した十全な処遇が実施されるためには,検察,矯正,更生保護の間で,個々の窃盗事犯者についての情報が,緊密かつ正確にやり取りされる必要がある。そのためには,検察,矯正,更生保護の各段階で保有する個々の窃盗事犯者に関する情報を迅速かつ正確にやり取りすることができる情報連携データベースの早期の構築が待たれるところである。このような情報連携データベースは,実施されている処遇プログラムの効果検証や再犯防止の施策を検討するための調査研究を効果的かつ効率的に行うにも有効である。