平成18年度から,法務省は,受刑者等の出所時の就労の確保に向けて,刑事施設及び少年院に就労支援スタッフを配置するとともに,厚生労働省と連携し,刑務所出所者等総合的就労支援対策を実施している。この施策は,刑事施設,少年院,保護観察所及び公共職業安定所が連携する仕組みを構築した上で,支援対象者の希望や適性等に応じ,計画的に就労支援を行うものであるが,その一環として,刑事施設では,支援対象者に対し,公共職業安定所の職員による職業相談,職業紹介,職業講話等を実施している(保護観察所における就労支援は,本編第5章第2節2項(4)P81参照)。
また,平成25年2月に,日本財団及び関西の企業7社が,少年院出院者や刑務所出所者の更生と社会復帰を目指す「職親プロジェクト」を発足させた。同プロジェクトは,少年院出院者や刑務所出所者に就労体験の機会を提供することで,円滑な社会復帰を支援するとともに,再犯率の低下の実現を目指すこととしており,矯正施設,保護観察所等関係機関と連携し,5年間で100人の少年院出院者・刑務所出所者の社会復帰を支援することとしている。26年4月時点で19社(関西地区10社,関東地区9社)が参加し,これらの企業において対象者が就労を開始するなど,着実に実績を積み重ねている(法務省矯正局の資料による。)。