法務総合研究所では,最近の外国人犯罪者の実態や特性等を明らかにし,その再犯防止及び社会復帰を含む外国人犯罪者に対する効果的な対策の検討に役立てるため,外国人受刑者の特別調査を実施した。
調査対象者は,平成23年における入所受刑者のうち,特別永住者を除く外国籍等(無国籍の者を含む。)の者全てに当たる671人(男子549人,女子122人)である。
調査・分析方法は,まず,判決書,法務省入国管理局及び法務省大臣官房司法法制部の資料に基づき,調査対象者の属性,判決で認定された犯罪事実(以下この節において「本件犯行」という。)及びその罪名,犯行場所,共犯関係等の内容,犯行時の職業,前科の有無・内容,出入国及び在留状況等を調査した。調査対象者のうち,本件犯行の処断罪名(以下この節において「主たる罪名」といい,処断罪名に係る最も犯情の重い犯罪事実を以下この節において「主たる犯行」という。)が窃盗又は強盗の者(263人。うち男子218人,女子45人)については,これらの調査に加え,刑事確定記録及び刑事施設における被収容者身分帳等の記録に基づき,犯行動機,手口等の本件犯行の詳細な内容,我が国における生活状況,日本語能力及び出所状況等を調査した。また,調査対象者の調査結果については,必要に応じ,法務省大臣官房司法法制部の資料に基づき,平成23年に入所した日本人受刑者(以下この節において「日本人受刑者」という。)2万4,363人(男子2万2,304人,女子2,059人)との比較も行った。
調査対象者の主たる罪名別及び国籍等別の人員を示すと,7-3-1-1-1表のとおりである。