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2 外国人犯罪の概況 最近五年間における外国人犯罪のすう勢を検察庁の新規受理人員によってみると,I-75表の示すとおりである。総数においては,昭和三四年が七万人台であったのが,昭和三五,三六年は八万人台となり,昭和三七,三八年は一〇万人をこえるに至っているが,これは,主として道交違反の増加(これは外国人についてのみの現象ではなく,日本人一般についても同様である)によるものであって,日本人を含めた全被疑者数に対する割合では,減少しつつあると認められる。そして,刑法犯および特別法犯のそれぞれについてみると,前者は,実数および全被疑者数に対する割合のいずれもが漸減の傾向にあり,後者にあっても,実数こそ増加しているが,全被疑者数に対する割合では,やはり減少しているのであって,これらを総合すれば,外国人犯罪は大勢としては,減少の傾向を示しているとみてさしつかえないと思われる。
I-75表 外国人犯罪の検察庁新受人員(昭和34〜38年) 次に,昭和三八年における検察庁の新受人員について,外国人被疑者数の全被疑者数に対する割合を,検察統計年報によって罪名別にみると,刑法犯は,総数において三・一%であるのに対し,賍物関係が例年に引き続き,一〇・一%という高率を示し,これに次いで,恐かつが五・八%,強盗致死傷・強盗強かんが五・二%,公務執行妨害が五・一%,傷害およびとばく・富くじが各四・七%と総数の比率をかなり上回る比率を示している。また,特別法犯は,総数において一・九%を占めているのに対し,道交違反等若干のものを除いては,いずれも全被疑者数中,外国人被疑者数の占める割合は相当高い。このうち,外国人登録法および出入国管理令の各違反において,その九五%ないし九九%が外国人によって占められていることは,法令の規制内容の性質上当然であり,また,外国為替および外国貿易管理法違反において一九・九%,関税法違反において二四・二%という高率を示すことも一応うなずけるが,たばこ専売法違反において二五・〇%,酒税法違反において一〇・九%という高率を示していることは注目すべきであろう。 |