7-3-2-2-1表 調査対象者の属性
この意識調査の対象者は，以下のとおりである。
| <1> 受刑者調査 | ： | 平成24年3月1日から31日までに全国の刑事施設から出所する受刑者2,306人のうち，調査票への回答に同意した受刑者1,729人（回収率75.0％，回答者の平均年齢44.2歳）。 |
| <2> 在院者調査 | ： | 平成24年3月1日から31日までに全国の少年院を出院する在院者286人のうち，調査票への回答に同意した在院者277人（回収率96.9％，回答者の平均年齢17.6歳）。 |
本項では，調査対象者の属性について紹介する。7-3-2-2-1表は，調査対象者の属性を，7-3-2-2-2表は，調査対象者の罪名・非行名別構成比を示したものである。
ア 入所度数
7-3-2-2-3図は，年齢層別に入所度数別構成比を見たものである。年齢層が上がるにつれて，入所度数1度の割合が低下し，3度以上の割合が上昇する傾向にある。
イ 出所事由
7-3-2-2-4図は，年齢層別に出所事由別構成比を見たものである。年齢層が上がるにつれて，満期釈放の割合が上昇し，仮釈放の割合が低下する傾向にある。
ウ 帰住先
帰住先の状況については，男女別，入所度数別，年齢層別，犯罪傾向別及び出所事由別の比較を行い，その特徴を見ることとする。7-3-2-2-5図は，男女別に帰住先別構成比を見たものであり，男子では帰住先不明等（帰住先が不明，帰住先が暴力団関係者のもと，刑終了後引き続き被告人として勾留，入国管理局への身柄引渡し等をいう。以下同じ。）が2割強を占め，女子では家族・親族のもとへの帰住が6割強を占める。
7-3-2-2-6図は，入所度数別に帰住先別構成比を見たものである。入所度数の増加に伴い，父母のもとへ帰住する割合が低下し，帰住先不明等の割合が上昇している。
7-3-2-2-7図は，年齢層別に帰住先別構成比を見たものである。年齢層が上がるにつれて，帰住先不明等の割合が高まる。
また，7-3-2-2-8図は，犯罪傾向別に帰住先別構成比を見たものである。犯罪傾向（第2編第4章第2節1項（1）参照）が進んだB指標の者において，帰住先不明等の割合が高く，家族・親族が占める割合が低くなっている。
7-3-2-2-9図は，出所事由別に帰住先別構成比を見たものである。仮釈放者は，帰住先として家族・親族が63.1％と高い割合を占めている一方，満期釈放者の場合は，帰住先不明等がおおむね半数を占めている。
なお，本調査によると本件犯行等の際に無職であった割合は，仮釈放者が55.9％であるのに比べ，満期釈放者では72.4％と顕著に高くなっている。
出院時の引受人の状況について，在院者の男女別，保護処分歴別，年齢層別及び入院時の保護者別に比較を行い，その特徴を見ることとする。7-3-2-2-10図は，男女別に出院時の引受人別構成比を見たものであり，男女ともに家族（義父（母），養父（母）を含む。）が約9割を占めている。
7-3-2-2-11図は，保護処分歴別に出院時の引受人別構成比を見たものである。保護処分歴により大きな差は見られないが，少年院送致歴がある者は，更生保護施設・保護司が出院時の引受人となった割合が8.1％あった。
7-3-2-2-12図は，年齢層別に出院時の引受人別構成比を見たものである。
7-3-2-2-13図は，入院時の保護者別に出院時の引受人別構成比を見たものである。一定割合について，入院時の保護者の状況が出院時の引受人の状況とは異なる傾向にある。
