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2 更生保護施設

更生保護施設は,主に保護観察所から委託を受けて,住居がなかったり,頼るべき人がいないなどの理由で直ちに自立することが難しい保護観察又は更生緊急保護の対象者を宿泊させ,食事を給するほか,就職援助,生活指導等を行う施設である。

平成23年4月1日現在,全国に104の施設があり,更生保護法人により101施設が運営されているほか,社会福祉法人,特定非営利活動法人及び社団法人により,それぞれ1施設が運営されている。その内訳は,男子施設90,女子施設7及び男女施設7である。収容定員の総計は2,329人であり,男子が成人1,834人と少年314人,女子が成人134人と少年47人である(法務省保護局の資料による。)。

更生保護施設に新たに委託を開始した人員の推移(最近20年間)は,2-5-3-2図のとおりである。平成22年に新たに委託を開始した人員は6,393人であり,そのうち,仮釈放者は3,479人(54.4%),刑の執行終了者は959人(15.0%)であった。


2-5-3-2図 更生保護施設への収容委託人員の推移
2-5-3-2図 更生保護施設への収容委託人員の推移

更生保護施設では,生活技能訓練(SST),酒害・薬害教育等を取り入れるなど,処遇の強化に努めており,平成22年度においては,42の更生保護施設がSSTを,26の更生保護施設が酒害・薬害教育を実施している(法務省保護局の資料による。)。

また,平成21年度から,法務省及び厚生労働省が連携し,高齢又は障害により自立困難で住居もない受刑者等に対する地域生活定着支援の取組が開始されたが,この取組において,出所後直ちに福祉による支援が困難な者は,更生保護施設において受け入れ,福祉への移行準備及び社会生活に適応するための指導・助言を行うこととなった。その役割を担うために指定された57の施設では,福祉の専門資格等を有する職員の配置や,バリアフリー等の必要な施設整備等を行っている。

平成22年度に更生保護施設から退所した者の退所先別構成比は,借家が28.9%,就業先が15.9%,親族・縁故者が15.7%であった。退所時の職業別構成比は,労務作業が37.9%と最も多く,次いで,サービス業8.8%であり,無職は40.9%であった(法務省保護局の資料による。)。