平成22年における通常第一審の終局裁判に対する上訴率(公訴棄却の決定,正式裁判請求の取下げ及び移送等による終局を除く終局処理人員に占める上訴(控訴及び跳躍上告)人員の比率)は,地方裁判所の裁判については10.3%,簡易裁判所の裁判については4.7%であった。同年の高等裁判所における控訴事件について,受理区分を終局処理(移送等を含む。)人員で見ると,被告人側のみの控訴申立てによるものが6,709人(97.9%),検察官のみの控訴申立てによるものが110人(1.6%),双方からの控訴申立てによるものが32人(0.5%),破棄差戻し等によるものが5人であった(司法統計年報による。)。
平成22年における高等裁判所の控訴審としての終局処理人員を罪名別・裁判内容別に見ると,2-3-4-1表のとおりである。控訴棄却が4,708人(68.7%)と最も多く,次いで,控訴の取下げ1,364人(19.9%),破棄自判740人(10.8%)の順であった。
破棄人員750人について破棄理由を見ると,判決後の情状によるものが450人と最も多く,次いで,量刑不当(163人),事実誤認(85人)の順であった(2以上の破棄理由がある場合は,それぞれに計上している。司法統計年報による。)。また,第一審の有罪の判決が覆されて無罪となった者は21人であり(司法統計年報による。),第一審の無罪判決が覆されて有罪となった者は,検察官が無罪判決を不服として控訴した26人のうち18人であった(検察統計年報による。)。
平成22年に言い渡された控訴審判決に対する上告率(控訴棄却の決定,控訴の取下げ,公訴棄却の決定及び移送等による終局を除く終局処理人員に占める上告人員の比率)は,38.5%であった。同年における最高裁判所の上告事件の終局処理人員は,2,150人(第一審が高等裁判所であるものを含む。)であり,その内訳は,上告棄却1,711人(79.6%),上告の取下げ430人(20.0%),公訴棄却の決定6人,破棄差戻し・移送2人,破棄自判1人であった(司法統計年報による。)。