前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択

平成22年版 犯罪白書 第7編/第2章/第4節

第4節 重大事犯者の社会復帰

重大事犯者は,規範意識が希薄であり,ゆがんだ考え方をするなど,資質上の大きな問題性を抱えている上,重大事犯を犯したことに対する社会の厳しい感情と向き合わざるを得ないなど,社会生活を送る上で様々な困難も待ち受けている。そのため,その社会復帰には容易でないものがあるが,自らの犯罪を悔い,真しな改善更生の意欲を持って,努力し,家族等周囲の者の理解と支援も得ながら,健全な社会人として更生を遂げる者も少なくない。

この節では,重大事犯を犯して受刑し,仮釈放になった者で,保護観察所において,保護観察の成績が良好で真に改善更生を遂げたと評価されているものの事例を紹介し,これらの事例からうかがわれる改善更生を促進する要因を考察した(なお,事例の紹介においては,個人の特定ができないようにする限度で,若干の修正を加えている。)。