前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択

平成22年版 犯罪白書 第3編/第1章/第3節/2

2 裁判

(1)概況

平成21年における外国人事件(外国人が被告人となった事件)の通常第一審での有罪人員は,5,159人(前年比9.1%減)であり,有罪人員総数に占める比率は6.9%であった(司法統計年報による。)。

平成21年における被告人通訳事件(被告人に通訳・翻訳人の付いた外国人事件をいう。以下この項において同じ。)の終局人員は,4,085人(前年比9.4%減)であった。通訳言語は38に及び,通訳言語別に内訳を見ると,中国語1,265人(31.0%),韓国・朝鮮語467人(11.4%),ポルトガル語446人(10.9%),タガログ語431人(10.6%),スペイン語272人(6.7%)の順であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。

(2)科刑状況

3‐1‐3‐4図は,被告人通訳事件の通常第一審における科刑状況(懲役・禁錮に限る。)の推移(最近10年間)を見たものである。有罪人員は,平成16年から減少し,21年は,3,975人(うち,無期懲役は4人)であった。執行猶予率は77.0%であり,日本人(58.3%)と比べて著しく高い。これは,入管法違反において被告人通訳事件の執行猶予率が93.5%と非常に高いことに原因があり,同法違反を除くと,被告人通訳事件の執行猶予率は67.2%であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。

3‐1‐3‐4図  被告人通訳事件 通常第一審における有罪人員(懲役・禁錮)の推移