第５節 PFI手法を活用した刑事施設

民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律（平成１１年法律第１１７号）に基づき，過剰収容を緩和し，新しい刑事施設の運営の在り方を模索するなどの観点から，PFI（Private Finance Initiative）手法（公共施設等の建設，維持管理，運営等を民間の資金，ノウハウを活用して行う手法）を用いて，刑事施設の整備が行われている。PFI手法による第１号事業として，山口県美祢市に美祢社会復帰促進センター（平成２１年度の収容定員１，０００人）が建設され，１９年４月から我が国初の官民協働による刑務所として運営が開始された。その後，同年１０月から喜連川社会復帰促進センター（同２，０００人）及び播磨社会復帰促進センター（同１，０００人）が，２０年１０月から島根あさひ社会復帰促進センター（同２，０００人）がそれぞれ運営を開始している。

これらの社会復帰促進センターにおいては，受刑者の社会復帰が円滑に行われるよう，民間のノウハウとアイディアを活用し，フードコーディネーターやシステムエンジニアの養成，パソコン技能の習得やホームヘルパー資格取得等の多様な職業訓練を実施しているほか，各種の特色あるプログラムに基づく改善指導を実施している。例えば，島根あさひ社会復帰促進センターでは，財団法人日本盲導犬協会の協力により，受刑者が盲導犬候補の子犬に生後１２か月まで基本的な訓練を実施する社会貢献活動（パピープログラム）が一般改善指導として行われている。