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平成22年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/1

第2節 財政経済犯罪

1 財政犯罪

(1)検察庁における処理状況

所得税法(昭和40年法律第33号),法人税法(昭和40年法律第34号),相続税法(昭和25年法律第73号),消費税法(昭和63年法律第108号)及び地方税法(昭和25年法律第226号)の各税法違反について,検察庁新規受理人員の推移(最近20年間)を見ると,1‐3‐2‐1図のとおりである。平成21年における受理人員は,多い順に,法人税法違反が280人(前年比74人増),消費税法違反が54人(同6人減),所得税法違反が43人(同30人減),地方税法違反が26人(同129人減),相続税法違反が6人(同1人減)であった。

1‐3‐2‐1図  税法違反 検察庁新規受理人員の推移

国税当局から検察官に告発された税法違反事件の件数及び1件当たりの脱税額(最近5年間)は,1‐3‐2‐2表のとおりである。

平成21年度において,脱税額が3億円以上の事件は17件,そのうち5億円以上の事件は6件であった(国税庁の資料による。)。

1‐3‐2‐2表  税法違反 告発件数・1件当たりの脱税額

税法違反の起訴・不起訴の人員(最近5年間)は,1‐3‐2‐3表のとおりである。

平成21年における起訴の内訳を見ると,地方税法違反3人が略式命令請求であったほかは,すべて公判請求であった(検察統計年報による。)。

1‐3‐2‐3表 税法違反 起訴・不起訴人員

(2)裁判所における処理状況

平成21年における通常第一審での税法違反の終局処理人員(移送その他を除く。)は,所得税法違反34人(有期懲役34人),法人税法違反145人(有期懲役72人,罰金73人),相続税法違反4人(有期懲役4人),消費税法違反26人(有期懲役14人,罰金12人),地方税法違反13人(有期懲役8人,罰金5人)であった(罰金は,懲役と併科されたものを含まない。司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。)。