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 平成21年版 犯罪白書 第4編/第2章/第6節/1 

1 少年の保護観察対象者

(1)保護観察開始人員の推移等

 少年の保護観察開始人員の推移(昭和24年以降)は,4-2-6-1図のとおりである。
 その人員は,平成2年に過去最多の7万8,112人を記録したが,3年以降7年まで減少し,8年から11年まではやや増加したものの,12年以降は再び減少傾向にある(CD-ROM資料2-12参照)。
 平成20年における少年の保護観察の開始人員の内訳を見ると,保護観察処分少年が2万7,169人(前年比3,385人(11.1%)減),少年院仮退院者が3,994人(同350人(8.1%)減)であった。

4-2-6-1図 少年の保護観察開始人員の推移

(2)保護観察対象者の特徴

 ア 年齢
 保護観察処分少年(交通短期保護観察の対象者を除く。以下,この節において同じ。)及び少年院仮退院者について,平成20年における保護観察開始人員の年齢層別構成比を見ると,4-2-6-2図のとおりである。
 保護観察処分少年は,少年院仮退院者と比較して,年齢の低い者の構成比が高い。

4-2-6-2図 少年の保護観察開始人員の年齢層別構成比

 イ 非行名
 保護観察処分少年及び少年院仮退院者について,平成20年における保護観察開始人員の非行名別構成比を男女別に見ると,4-2-6-3図のとおりである。

4-2-6-3図 少年の保護観察開始人員の非行名別構成比(男女別)

 ウ 居住状況
 4-2-6-4図は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者について,保護観察開始人員の居住状況別構成比の推移(最近20年間)を見たものである。
 保護観察処分少年,少年院仮退院者のいずれについても,「両親と同居」の者の構成比が低下し,「母と同居」の者の構成比が上昇している。

4-2-6-4図 少年の保護観察開始人員の居住状況別構成比の推移

 エ 就学・就労状況
 4-2-6-5図は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者について,平成20年における保護観察の開始時及び終了時の就学・就労状況別構成比を見たものである。
 開始時と終了時とでは,その対象者が異なるので,厳密な意味での比較ではないが,終了時は,開始時と比較すると,保護観察処分少年,少年院仮退院者共に,有職者の構成比が高い。しかしながら,保護観察処分少年の10.3%,少年院仮退院者の19.4%が,無職のままで保護観察を終了している。

4-2-6-5図 少年の保護観察開始時・終了時の就学・就労状況別構成比

(3)保護観察終了人員

 保護観察処分少年及び少年院仮退院者について,平成20年における保護観察終了人員の終了事由別構成比を見ると,4-2-6-6図のとおりである。
 保護観察処分少年については,最近の20年間,保護観察の解除で終了した者の構成比は,おおむね68〜77%で推移し,平成20年は76.0%であった。
 少年院仮退院者については,最近の20年間,退院(保護観察所の長の申出に基づき,地方更生保護委員会の決定により,早期に保護観察を終了させることをいう。)で終了した者の構成比はおおむね16〜22%,期間満了で終了した者の構成比はおおむね62〜66%で推移し,平成20年は,それぞれ17.8%,65.6%であった。他方,戻し収容(保護観察所の長の申出と地方更生保護委員会の申請を経て,家庭裁判所の決定により,少年院に再収容することをいう。)又は保護処分取消し(再非行・再犯により新たな処分を受けたため,以前の処分が取り消されることをいう。)で終了した者の構成比は,おおむね13〜20%で推移し,20年は16.4%であった(保護統計年報による。)。

4-2-6-6図 少年の保護観察終了人員の終了事由別構成比