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 平成２１年版 犯罪白書 第4編/第2章/第3節/2 

2 鑑別業務

(1)収容鑑別

　家庭裁判所で観護措置(少年鑑別所送致)の決定がなされた少年に対して行う鑑別(以下「収容鑑別」という。)の標準的な流れは，4-2-3-5図のとおりである。

4-2-3-5図　少年鑑別所における収容鑑別の流れ

　少年鑑別所では，鑑別面接，心理検査，行動観察，医学的診断の結果に，外部から得られた情報を加えて検討し，在宅保護(保護観察等)，収容保護(少年院送致等)等の意見，すなわち鑑別判定を決定している。鑑別判定の結果は，少年の資質の特徴，非行要因，改善更生のための処遇指針等と共に鑑別結果通知書に記載され，家庭裁判所に送付されて，審判の資料となる。また，保護処分が決定された場合には，少年院，保護観察所に送付され，処遇の参考に供される。
　4-2-3-6表は，平成20年に鑑別判定を終了した少年(観護措置に付された者に限り，退所した年で計上している。)について，鑑別判定と審判決定等との関係を見たものである。

4-2-3-6表　審判決定状況(鑑別判定区分別)

(2)収容鑑別以外の鑑別

　ア 家庭裁判所からの請求による在宅鑑別
　家庭裁判所関係では，収容鑑別が大多数を占めるが，少年を収容することなく，家庭裁判所，少年鑑別所等に来所させて行う在宅鑑別もある。平成20年における在宅鑑別の受付人員は，252人であった(矯正統計年報による。)。
　イ 法務省関係機関からの依頼鑑別
　平成20年における法務省関係機関からの依頼鑑別の受付人員の内訳は，検察庁が5人，少年院又は刑事施設が3,516人，地方更生保護委員会又は保護観察所が4,288人であった(矯正統計年報による。)。なお，依頼鑑別の内容は，対象者の資質鑑別，個別式又は集団式の心理テストの実施，処遇計画の策定・変更に資する面接・調査の実施等である。
　ウ 一般少年鑑別
　一般市民，公私の団体等からの依頼を受けて行う鑑別であり，相談内容は，非行のほか，性格，しつけ，生徒指導等多岐にわたっている。