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 平成21年版 犯罪白書 第2編/第5章/第3節/2 

2 更生保護施設

 更生保護施設は,主に保護観察所から委託を受けて,保護観察又は更生緊急保護の対象者を宿泊させ,食事を給するほか,就職援助,生活指導等を行う施設である。
 平成21年4月1日現在,全国に102の施設があり,うち,101が更生保護法人,1が社会福祉法人によって運営されている。その内訳は,男子施設89,女子施設7及び男女施設6である。収容定員の総計は2,303人であり,その内訳は,男子が成人1,821人と少年304人,女子が成人133人と少年45人である(法務省保護局の資料による。)。
 更生保護施設に新たに委託を開始した人員の推移(最近20年間)は,2-5-3-2図のとおりである。
 平成20年に新たに委託を開始した人員は6,352人であり,そのうち,仮釈放者は3,603人(56.7%),刑の執行終了者は915人(14.4%)であった。

2-5-3-2図 更生保護施設への収容委託人員の推移

 更生保護施設では,生活技能訓練(SST),酒害・薬害教育等を取り入れるなど,処遇の強化に努めており,平成20年度においては,42の更生保護施設がSSTを,23の更生保護施設が酒害・薬害教育を実施している(法務省保護局の資料による。)。
 平成20年度に更生保護施設から退所した者の退所先別構成比は,借家が25.0%,就業先が21.9%,親族・縁故者が15.1%であった。退所時の職業別構成比は,労務作業が46.5%と最も多く,次いで,サービス業7.6%,運輸・通信業2.9%の順で,無職は32.2%であった(法務省保護局の資料による。)。