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2 第一審 地方裁判所における第一審の裁判は,公判手続(即決裁判手続を含む。以下同じ。)によって行われ,簡易裁判所における第一審の裁判は,公判手続又は略式手続によって行われる。公判請求後,充実した公判の審理を継続的,計画的かつ迅速に行うため必要があるときは,第一回公判期日前に,事件の争点及び証拠を整理する公判前整理手続が行われることがある。裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年法律第63号。以下「裁判員法」という。)により,裁判員裁判(裁判員の参加する刑事裁判をいう。以下同じ。)対象事件については,必ず公判前整理手続に付さなければならないとされている。また,裁判所において,審理の経過にかんがみ必要と認めるときには,第一回公判期日後に,公判前整理手続と同様の手続により事件の争点及び証拠を整理する期日間整理手続が行われることがある。 平成20年に地方裁判所で公判前整理手続及び期日間整理手続に付された事件の人員を罪名別に見ると,2-3-1-2表のとおりである。 2-3-1-2表 地方裁判所で公判前整理手続・期日間整理手続に付された事件の人員(罪名別) 平成20年における地方裁判所及び家庭裁判所での罪名・裁判内容別の終局処理人員は,2-3-1-3表のとおりであり,同年における簡易裁判所での罪名・裁判内容別の終局処理(公判手続及び略式手続)人員は,2-3-1-4表のとおりである。2-3-1-3表 地方・家庭裁判所の終局処理人員(罪名別・裁判内容別) 2-3-1-4表 簡易裁判所の終局処理人員(罪名別・裁判内容別) 地方裁判所での終局処理人員を罪名別に見ると,窃盗が1万2,216人(18.3%)と最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反1万205人(15.2%),道交違反8,645人(12.9%),自動車運転過失致死傷・業過5,848人(8.7%)の順であった。簡易裁判所での公判手続による終局処理人員を罪名別に見ると,懲役言渡人員については,窃盗が94.2%(7,914人)を占めていた。罰金言渡人員についても,窃盗が30.1%(502人)と最も多く,次いで,傷害17.0%(283人),道交違反13.4%(223人)であった。 略式手続により罰金又は科料に処せられた者を罪名別に見ると,道交違反が74.5%(34万6,031人),自動車運転過失致死傷・業過が13.6%(6万3,319人)であった。なお,略式手続により窃盗で罰金に処せられた者は6,204人,公務執行妨害で罰金に処せられた者は987人であった。 平成20年に地方裁判所及び簡易裁判所で即決裁判手続に付された者の人員を罪名別に見ると,2-3-1-5表のとおりである。 2-3-1-5表 即決裁判手続に付された事件の人員(罪名別) なお,即決裁判手続により審判する旨の決定があったものの,その後に有罪陳述や即決裁判手続によることへの同意を撤回したことなどにより同決定が取り消された人員は,地方裁判所で34人,簡易裁判所で1人であった。 |