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 平成21年版 犯罪白書 第2編/第3章 

第3章 裁判

 刑事事件の第一審は,原則として,地方裁判所,簡易裁判所で行われ,第一審判決に対する控訴は高等裁判所が,控訴審判決に対する上告は最高裁判所が,それぞれ裁判権を有する。
 地方裁判所は,罰金以下の刑に当たる罪及び高等裁判所が第一審の裁判権を有する罪を除き,第一審の裁判権を有する。
 簡易裁判所は,罰金以下の刑に当たる罪,選択刑として罰金が定められている罪及び常習賭博罪等の一定の罪について,第一審の裁判権を有する。簡易裁判所は,原則として禁錮以上の刑を科することはできないが,窃盗等の一定の罪については,3年以下の懲役を科することができる。
 高等裁判所は,地方裁判所又は簡易裁判所の判決に対する控訴について,裁判権を有するほか,内乱に関する罪について第一審の裁判権を有する。
 最高裁判所は,上告について裁判権を有する。
 家庭裁判所は,少年の保護事件の審判のほか,平成20年12月15日に少年法の一部を改正する法律(平成20年法律第71号)により少年法(昭和23年法律第168号)及び裁判所法(昭和22年法律第59号)が改正される前は,少年の福祉を害する成人の刑事事件(児童福祉法違反等の少年法が定めていた一定の罪)について,第一審の裁判権を有していたが,その改正後は,後者の刑事事件については,地方裁判所又は簡易裁判所が第一審の裁判権を有する。