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 平成21年版 犯罪白書 第1編/第3章/第3節/1 

第3節 ハイテク犯罪

1 ハイテク犯罪の動向

 コンピュータ・電磁的記録対象犯罪(電磁的記録不正作出・毀棄等,電子計算機損壊等業務妨害及び電子計算機使用詐欺をいう。),支払用カード電磁的記録に関する罪及び不正アクセス禁止法違反の検挙件数(最近5年間)は,1-3-3-1表のとおりである。

1-3-3-1表 コンピュータ・電磁的記録対象犯罪等 検挙件数

 コンピュータ・電磁的記録対象犯罪の検挙件数を見ると,電磁的記録不正作出・毀棄等は平成19年から2年連続で減少したが,電子計算機使用詐欺は年々増加し,20年は前年の約3倍であった。支払用カード電磁的記録に関する罪の検挙件数は,17年から20年まで毎年減少している。不正アクセス禁止法違反の検挙件数は,近年,急増し,20年は,1,740件(前年比298件(20.7%)増)であり,同法が施行された12年以降,最多を更新した。
 ネットワーク利用犯罪(インターネットを利用した詐欺,児童買春事案等,コンピュータ・ネットワークを利用した犯罪をいう。)の検挙件数(最近5年間)は,1-3-3-2表のとおりである。

1-3-3-2表 ネットワーク利用犯罪 検挙件数

 ネットワーク利用犯罪の検挙件数は,最近5年間,一貫して増加し,平成20年は,4,334件(前年比416件(10.6%)増)であった。罪名別に見ると,詐欺は,20年に前年よりわずかに減少したものの,17年以降,高水準にある。詐欺のうち,1,140件(75.6%)はインターネット・オークションに係るものである(警察庁生活安全局の資料による。)。児童に対する性的な犯罪の検挙件数は,増加傾向にあり,20年には,児童買春は前年比44件(8.0%)減少したが,児童ポルノ及び青少年保護育成条例違反は増加した(それぞれ前年比32.3%及び90.0%増)。出会い系サイト規制法違反は,18年から増加し続け,20年は前年の約3倍と大幅に増加した。

参考 コンピュータウイルスに関する届出状況
 コンピュータウイルスのまん延は,コンピュータによる円滑な情報処理を阻害する要因となっている。
 コンピュータウイルスを発見し又はこれに感染した場合には,情報処理推進機構に対し届出を行うことが求められているが,最近10年間の届出件数の推移を見ると,平成18年以降減少しているものの,20年の件数は11年の6倍近くに上っている。

1-3-3-3表 コンピュータウイルス届出件数の推移