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 平成20年版 犯罪白書 第7編/第5章/第1節/3 

3 各国の罪名別高齢事犯者数

 各国と我が国の高齢犯罪者の特徴を罪名別に見るため,「窃盗」,「傷害・暴行」及び「殺人」の検挙人員と有罪人員の数値が入手できたドイツ及び米国と我が国について,それぞれの高齢人口比を,おおむね10年前の同人口比(以下,本項において「10年前人口比」という。)と最近の同人口比(以下,本項において「2004年以降人口比」という。)とで経年比較した。各国の10年前人口比と2004年以降人口比を算出した暦年は,検挙人員について,ドイツ(1996年,2005年),米国及び我が国(1996年,2006年)であり,有罪人員については,ドイツ(1996年,2005年),米国(1996年,2004年),我が国(1999年,2006年)である。
(1)窃盗
 各国の窃盗による検挙人員の10年前人口比と2004年以降人口比は,ドイツ(370.0,289.8),米国(33.2,22.5),我が国(54.9,116.4)である。各国の10年前人口比と2004年以降人口比を比べた場合,ドイツが約0.78倍,米国が約0.68倍,我が国が約2.12倍であり,ドイツ,米国は低下しているものの,我が国は大きく上昇している。
 各国の窃盗による有罪人員の10年前人口比と2004年以降人口比は,ドイツ(39.2,37.2),米国(4.9,4.4),我が国(2.0,3.9)である。各国の10年前人口比と2004年以降人口比を比べた場合,ドイツが約0.95倍,米国が約0.88倍で,我が国は約1.98倍となる。
(2)傷害・暴行
 各国の傷害・暴行による検挙人員の10年前人口比と2004年以降人口比は,ドイツ(56.6,85.1),米国(13.0,10.7),我が国(2.7,13.6)である。各国の10年前人口比と2004年以降人口比を比べた場合,ドイツが約1.50倍,米国が約0.82倍,我が国が約5.06倍であり,我が国は大きく上昇している。
 各国の傷害・暴行による有罪人員の10年前人口比と2004年以降人口比は,ドイツ(7.0,6.2),米国(1.6,3.9),我が国(0.6,1.2)である。各国の10年前人口比と2004年以降人口比を比べた場合,ドイツが約0.88倍,米国が約2.44倍で,我が国は約1.91倍となる。
(3)殺人
 各国の殺人による検挙人員の10年前人口比と2004年以降人口比は,ドイツ(0.9,0.9),米国(0.5,0.3),我が国(0.5,0.7)である。各国の10年前人口比と2004年以降人口比を比べた場合,ドイツが約1.01倍,米国が約0.63倍,我が国が約1.37倍となる。
 各国の殺人による有罪人員の10年前人口比と2004年以降人口比は,ドイツ(0.05,0.11),米国(0.52,0.34),我が国(0.40,0.44)となっている。