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 平成20年版 犯罪白書 第4編/第2章/第2節/1 

第2節 少年事件の検察及び裁判

1 検察

(1)事件受理状況
 平成19年における犯罪少年の検察庁新規受理人員は,18万662人(少年比9.5%)であり,その内訳は,刑法犯が14万3,560人(同12.4%),特別法犯が3万7,102人(同5.0%)であった。この刑法犯のうち,一般刑法犯が11万2,427人(同32.5%)であり,その余は自動車運転過失致死傷等で3万1,133人(同3.9%)であった。さらに,この特別法犯において道交違反を除いたものは,3,726人(同3.1%)であった(検察統計年報による。)。
 犯罪少年の年齢層別検察庁新規受理人員(自動車運転過失致死傷等及び道交違反を除く。)の推移(昭和50年以降)は,4-2-2-1図のとおりである。
 昭和54年以降,年少少年が他の年齢層を上回っていたが,平成2年に,中間少年が年少少年を上回って以降は,中間少年が最も多い。

4-2-2-1図 犯罪少年の年齢層別検察庁新規受理人員の推移

 平成19年における犯罪少年の主要罪名別検察庁新規受理人員の年齢層別構成比を見ると,傷害では年少少年が,恐喝では中間少年が,殺人,自動車運転過失致死傷等,道交違反及び覚せい剤取締法違反では年長少年が,また,窃盗は年少少年と中間少年が,強盗は,中間少年と年長少年が,それぞれ高率を占めている(CD-ROM資料4-8参照)。
(2)家庭裁判所への送致
 検察官は,少年事件を家庭裁判所に送致するとき,少年の処遇に関して意見をつけることができる(検察官がつけた刑事処分相当,少年院送致相当及び保護観察相当の各意見の状況は,CD-ROM資料4-9参照)。
(3)逆送事件の処理状況
 家庭裁判所が検察官に送致したいわゆる逆送事件の平成19年における罪名別検察庁処理人員は,4-2-2-2表のとおりである。
 平成19年において起訴された少年のうち公判請求された者の比率を見ると,総数では404人(10.3%)とかなり低いが,これは総数の約9割を占める道交違反において公判請求された者の比率が51人(1.5%)とかなり低いためである。道交違反を除いて公判請求された者の人員及び比率を見ると,総数では511人中353人(69.1%),刑法犯では459人中321人(69.9%),特別法犯では52人中32人(61.5%)であった。

4-2-2-2表 逆送事件の罪名別検察庁処理人員