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 平成20年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/6 

6 新規立法関連

 平成18年12月20日に公布された貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律(平成18年法律第115号。以下,この項において「改正法」という。)は,ヤミ金融に対する罰則を強化するため,業として行う年109.5パーセントを上回る著しい高金利の貸付けに対し,法定刑の上限を懲役10年とする罰則を新設するとともに,無登録営業に対する罰則の法定刑の上限を懲役5年から10年に引き上げるなどし(この部分につき平成19年1月20日から施行),貸金業規制法の題名を「貸金業法」と改めるなどした(この部分につき平成19年12月19日から施行)。また,改正法により,従来からある,業として行う高金利の貸付けに対する罰則(法定刑の上限は懲役5年)違反となる金利を年29.2パーセントを超える金利から年20パーセントを超える金利に引き下げることとなっている(前記平成19年12月19日の施行日から起算して2年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。)。
 平成19年3月14日から施行された入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律(平成18年法律第110号)は,最近における官製談合の事件の発生に関する状況にかんがみ,官製談合の防止の徹底を図るため,国等の職員による入札等の公正を害すべき行為についての罰則を設け,入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律(平成14年法律第101号)の題名を「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」と改めるなどした。
 平成19年8月30日から施行された映画の盗撮の防止に関する法律(平成19年法律第65号)は,映画館等における映画の盗撮により,映画の複製物が作成され,これが多数流通して映画産業に多大な被害が発生していることにかんがみ,有料上映開始後8月を経過しない映画の盗撮について,それが私的使用目的の複製に係るものであっても,著作権法違反(著作権侵害の罪)が成立するとの同法の特例を設けるなどした。