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 平成19年版 犯罪白書 第2編/第6章/第3節/1 

第3節 捜査・司法に関する国際共助

1 捜査共助等

 我が国の刑事事件の捜査に必要な証拠が外国に存在する場合,原則として,外交ルートを通じて国際礼譲による捜査共助を要請する。これには,検察庁が依頼する場合と警察等が依頼する場合とがあり,いずれも外務省を経由して相手国に要請する。また,我が国が,外国の刑事事件の捜査に必要な証拠の提供等について外国から協力を求められた場合,我が国は,国際捜査共助等に関する法律(昭和55年法律第69号)の定める要件及び手続に基づいて,相互主義の保証の下に,捜査共助に関する条約を締結していない外国に対しても外交ルートを通じ,捜査共助を行うことが可能である。
 我が国は,捜査協力関係の一層の強化を目指し,2003年8月,刑事に関する共助に関する日本国とアメリカ合衆国との間の条約(以下「日米刑事共助条約」という。)の署名に至った。同条約は,2006年6月に米国との間において批准書を交換し,同年7月に発効した。また,同年1月,刑事に関する共助に関する日本国と大韓民国との間の条約(以下「日韓刑事共助条約」という。)の署名がなされ,同年12月に大韓民国との間において批准書を交換し,2007年1月に発効した。さらに,現在,中国,ロシア及び香港との間でも,条約締結に向けた交渉が行われている。
 日米刑事共助条約及び日韓刑事共助条約においては,共助の請求・受理を行う我が国の「中央当局」として,法務大臣若しくは国家公安委員会又はこれらがそれぞれ指定する者をあらかじめ指定することとされており,条約発効後は,外交ルートを経由することなく,我が国の法務省又は警察庁が,米韓の司法当局に対し,直接共助の請求をすることができる。同様に,米韓の司法当局からも,我が国の法務省に対し,直接共助の請求がなされることとなる。
 我が国と外国との間における捜査共助の件数の推移(最近5年間)は,2-6-3-1表のとおりである。

2-6-3-1表 捜査共助の件数