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 平成19年版 犯罪白書 第2編/第2章/第3節 

第3節 被疑事件の処理

 検察官の行う起訴処分には,公判請求のほか略式命令請求があり,不起訴処分には,[1]訴訟条件を欠くことを理由とするもの(親告罪の告訴の欠如・取消し等),[2]事件が罪にならないことを理由とするもの(心神喪失等),[3]犯罪の嫌疑が認められないことを理由とするもの(嫌疑なし,嫌疑不十分)のほか,[4]犯罪の嫌疑が認められる場合でも,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときに行う起訴猶予処分等がある。
 検察庁終局処理人員の処理区分別構成比及び公判請求人員等の推移(最近10年間)は,2-2-3-1図のとおりである。
 平成18年における検察庁終局処理人員は,207万6,777人であり,その内訳は,公判請求13万8,029人(6.6%),略式命令請求66万101人(31.8%),起訴猶予99万1,401人(47.7%),その他の不起訴9万2,637人(4.5%),家庭裁判所送致19万4,609人(9.4%)であった。公判請求人員は,7年以降毎年増加していたが,17年に減少に転じ,18年も前年に比べ8,323人減少した。公判請求率(起訴人員と不起訴人員の合計に占める公判請求人員の比率をいう。)は,9年以降上昇していたが,16年からは横ばいないし微減である(CD-ROM資料2-2参照)。

2-2-3-1図 検察庁終局処理人員の処理区分別構成比及び公判請求人員等の推移

 検察庁終局処理人員の罪種別の起訴率及び起訴猶予率の推移(最近10年間)は,2-2-3-2図のとおりである(CD-ROM資料2-3参照)。

2-2-3-2図 罪種別起訴率及び起訴猶予率の推移

 不起訴処分を受けた者(交通関係業過及び道交違反を除く。)の理由別人員(最近10年間)は,2-2-3-3表のとおりである。
 平成18年において,起訴猶予により不起訴処分とされた者の比率は,10年前の9年と比較して約17ポイント低下したのに対し,「嫌疑なし・嫌疑不十分」により不起訴処分とされた者の比率は,約16ポイント上昇した。

2-2-3-3表 不起訴処分の理由別人員