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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第6章/5 

5 刑事政策の進むべき方向

 以上,本特集の内容を総括するとともに,刑事政策の今後の在り方について若干の提言を試みた。本特集において,刑事政策に関連する領域における新たな動きを紹介する中でも,この領域において,地域社会,地域住民の果たす役割が極めて重要であることが,おのずから明らかとなった。そして,司法制度改革によって,刑事裁判における国民の司法参加が端的な形で実現されようとしている今,刑事政策の今後を展望すると,刑事司法が,国民に向かって一層開かれた存在となる必要性が痛感される。
 刑事司法関係機関は,今後も,なお一層地域社会等との交流,連携を深め,国民に開かれた存在となるとともに,その活力と良識を自らの中に積極的に取り込むための努力を行わなければならない。そして,そのことによって自らの機能を高め,公共の安全と秩序の確保のため更に貢献することが望まれる。
 そこに,刑事政策の新たな潮流が進むべき方向があるように思われる。