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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第6章/2 

2 最近の犯罪情勢の推移と社会の関心

 ここで,最近における犯罪情勢の推移を改めて確認すると,一般刑法犯の認知件数は,平成14年に戦後最多を記録した後,3年連続して減少したが,依然として高水準にある上,窃盗を除く一般刑法犯の認知件数は16年まで増加を続け,17年はやや減少したものの,今後の推移には,なお予断を許さないものがある。また,最近においても,子供を標的とした特異な凶悪犯罪が相次いで発生するなどして社会に強い不安を与えている上,近時における注目すべき現象として,振り込め詐欺やインターネットを利用した詐欺事件等の新たな類型の犯罪が急増している。
 さらに,このような中で,刑務所出所者等による重大な再犯事件が相次いで発生したことなどから,性犯罪者に対するものをはじめとして再犯防止対策の確立が優先課題として位置付けられるようになった。また,犯罪の多発が社会に脅威を与え続けるなかで,犯罪被害者等に対する支援,その権利の保護等の問題が引き続き社会の関心を呼んでいる。