第6章 おわりに 近時における犯罪情勢の急速な悪化を背景として,刑事政策に関連する領域において,犯罪に強い社会の実現を目指す施策の展開をはじめとする様々な新たな動きが生じている。新たな動きは,地域住民による犯罪予防活動等の取組から,刑事に関する新たな立法,裁判における量刑,犯罪者に対する施設の内外における再犯防止のための処遇上の取組等の幅広い分野に及んでいる。これらは,「刑事政策の新たな潮流」が具体的に現れたものとしてとらえることができる。そして,これらの動きの中で,司法が直面する当面の最重要課題である司法制度改革が引き続き進められている。 本特集では,司法制度改革を含むこれらの新たな動きを取り上げて紹介するとともに,当面の問題点等についても検討分析を試みた。 ここで,本特集のおわりに当たり,その内容を総括するとともに,今後において,「刑事政策の新たな潮流」が進むべき方向を探ることとする。
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