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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第3章/第3節/6 

6 犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)及び犯罪被害者等基本計画

 平成17年4月1日から施行された犯罪被害者等基本法は,犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進するために,政府において,総合的かつ長期的に講ずべき犯罪被害者等のための施策の大綱等を盛り込んだ犯罪被害者等基本計画を定めなければならないとした。
 平成17年12月27日,この犯罪被害者等基本計画を閣議決定した。同計画は,犯罪被害者等の権利利益の保護が図られる社会を実現させるため,四つの基本方針,五つの重点課題の下,258の具体的施策を盛り込んだ。また,国の行政機関をはじめとする関係諸機関が連携・協力し,それぞれの施策について犯罪被害者等の視点に立って取り組んでいくための体制等について定めた。
 犯罪被害者等基本法の趣旨及び目的にかんがみ,刑事手続において,犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図るため,早急に法整備を行う必要があると考えられたことから,平成18年9月6日,法務大臣から法制審議会に対し,「[1]損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度,[2]公判記録の閲覧及び謄写の範囲の拡大,[3]犯罪被害者等に関する情報の保護(公開の法廷において性犯罪等の被害者の氏名等を明らかにしないようにする制度及び証拠開示の際に,相手方に対して,性犯罪等の被害者の氏名等が関係者に知られないようにすることを求めることができる制度),[4]犯罪被害者等が刑事裁判に直接関与することのできる制度の各事項に対して,その整備要綱の骨子を示されたい。」旨の諮問が行われた。