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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第3章/第3節/1 

1 刑法等の一部を改正する法律(平成16年法律第156号)

 平成17年1月1日から施行された本法律は,凶悪犯罪を中心とする重大犯罪に適正に対処するため,[1]有期刑の法定刑の上限を15年から20年に,加重事由がある場合の処断刑の上限を20年から30年に,死刑・無期刑から有期刑に減軽した場合の有期刑の上限を15年から30年に引き上げること,[2]殺人,傷害,傷害致死,危険運転致傷,強姦,強制わいせつ等の罪の法定刑を引き上げ,集団強姦等の罪を新設することなどを内容とする。
 殺人及び強盗致死傷・強盗強姦の通常第一審における科刑状況(最近3年間)は,6-3-3-1表のとおりである。

6-3-3-1表 殺人及び強盗致死傷・強盗強姦の通常第一審における科刑状況

 平成17年において,本法律の施行以後言渡しが可能になった20年を超える有期刑が,殺人1人,「強盗致死傷・強盗強姦」2人に対して言い渡された。また,17年においては,「15年を超え20年以下」の有期刑の言渡人員が,殺人及び「強盗致死傷・強盗強姦」のいずれについても,15年及び16年と比べて大幅に増加した。