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 平成18年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/1 

第2節 財政経済犯罪

1 財政犯罪

(1) 検察庁における受理状況等

 所得税法(昭和40年法律第33号),相続税法(昭和25年法律第73号),法人税法(昭和40年法律第34号),消費税法(昭和63年法律第108号)及び地方税法(昭和25年法律第226号)の各違反の検察庁新規受理人員の推移(最近10年間)は,1-3-2-1図のとおりである。
 平成17年は,地方税法違反が大幅に増加した。

1-3-2-1図 所得税法違反・相続税法違反・法人税法違反・消費税法違反・地方税法違反の検察庁新規受理人員の推移

 国税当局から検察官に告発された税法違反事件の告発件数及び1件当たりの脱税額(最近5年間)は,1-3-2-2表のとおりである。
 平成17年度(会計年度)においては,脱税額が3億円以上の事件は16件,5億円以上の事件は5件であった(国税庁の資料による。)。

1-3-2-2表 税法違反事件の告発件数・1件当たりの脱税額

(2) 検察庁における処理状況

 検察庁における所得税法,相続税法,法人税法,消費税法及び地方税法の各違反の起訴・不起訴人員等(最近5年間)は,1-3-2-3表のとおりである。
 平成17年における起訴人員中,所得税法違反54人のうち2人,地方税法違反84人のうち7人が略式命令請求であったが,そのほかはすべて公判請求であった(検察統計年報による。)。

1-3-2-3表 所得税法違反・相続税法違反・法人税法違反・消費税法違反・地方税法違反の起訴・不起訴人員

(3) 裁判所における処理状況

 平成17年の通常第一審における所得税法,相続税法,法人税法,消費税法及び地方税法の各違反の終局処理人員は,所得税法違反38人(有期懲役38人),相続税法違反11人(有期懲役11人),法人税法違反190人(有期懲役89人,罰金91人,公訴棄却決定10人),消費税法違反12人(有期懲役5人,罰金7人),地方税法違反22人(有期懲役16人,罰金6人)であった(司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料による。財政経済犯罪の15年から17年までの通常第一審における懲役刑の科刑状況については,CD-ROM資料1-6参照)。