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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第6章/第2節/1 

第2節 ドイツ

1 少年非行の動向

 ドイツでは,刑事法上,行為時14歳以上18歳未満の者を少年(Jugendlicher),行為時18歳以上21歳未満の者を青年(Heranwachsender)とし,少年についてのみならず,一定の場合には青年についても,成人と異なる取扱いがされる。行為時14歳未満の者には刑事責任能力がない。
 刑法犯(交通犯罪等を除く重罪及び軽罪をいう。以下,本節において同じ。)検挙人員の推移(最近10年間)を,少年(14歳未満の者を含む。),青少年及び成人の別に見ると,4-6-2-1図のとおりである。

4-6-2-1図 刑法犯の少年・青少年・成人別検挙人員の推移(ドイツ)

 刑法犯及び特定5罪種の少年,青年及び成人別の検挙人員並びにその人口比(最近10年間)は,4-6-2-2表のとおりである。

4-6-2-2表 刑法犯・特定5罪種の少年・青年・成人別検挙人員・人口比(ドイツ)

 少年の刑法犯検挙人員は,1999年以降29万人台で横ばい傾向にあり,2003年は29万3,907人であった。
 青年の刑法犯検挙人員は,1999年以降24万人台で横ばい傾向にあり,2003年は27万7,456人であった。
 特定5罪種について見ると,殺人及び窃盗の検挙人員は,少年,青年ともに,この10年間で増減はあったものの,2003年は1994年と比較していずれも少なくなっている。
 強盗の検挙人員は,少年,青年ともに,1998年以降減少傾向にあったが,2003年は青年がやや増加している。
 傷害の検挙人員は,少年,青年ともに,この10年間,増加し続けており,2003年には,それぞれ1994年の2.0倍,1.8倍となった。
 強姦の少年検挙人員は,この10年間増加し続けており,2003年は1994年の2.7倍となった。青年検挙人員は,この10年間おおむね増加傾向にあり,2003年には1994年の1.6倍となった。